とある本*1を読んでいて、その中で茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」という詩が引用されていました。
その詩が心に残っていて詩集を購入しました。谷川俊太郎選「茨木のり子詩集」という本です。
詩集を買うのは何年ぶりでしょうか。
今の時代、ツイッターが詩集みたいなものかなって思いましたが、やっぱりちょっと違いますね。ツイッターは140文字の散文といったところでしょうか。
詩の方がフォーマットが自由です。
詩はいいですね。
自分の感受性くらい
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
- 作者: 谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/03/15
- メディア: 文庫
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*1:小松美羽「世界の中で自分の役割を見つけること」