@viva100s

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茨木のり子「自分の感受性くらい」

とある本*1を読んでいて、その中で茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」という詩が引用されていました。

その詩が心に残っていて詩集を購入しました。谷川俊太郎選「茨木のり子詩集」という本です。

詩集を買うのは何年ぶりでしょうか。

今の時代、ツイッターが詩集みたいなものかなって思いましたが、やっぱりちょっと違いますね。ツイッターは140文字の散文といったところでしょうか。

詩の方がフォーマットが自由です。
詩はいいですね。

自分の感受性くらい


ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて


気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった


駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

茨木のり子詩集 (岩波文庫)

茨木のり子詩集 (岩波文庫)

*1:小松美羽「世界の中で自分の役割を見つけること」